歯の欠損を歯列矯正で治すってどうなの？

こんにちは。佐賀県佐賀市の審美歯科スマイル髙城歯科です。虫歯や歯周病など様々な理由で歯を失ってしまった場合の選択肢として、インプラントや入れ歯やブリッジのほかに「歯列矯正」という方法もあります。本日は、歯の欠損を歯列矯正で治す事についてご説明します。

歯の欠損に対する治療方法の比較

失った歯を補う治療はいくつかあります。まずは歯列矯正とそれ以外の治療方法を比較してみましょう。

1歯列矯正

マウスピースやワイヤーなどの矯正装置を使って歯を徐々に動かす治療です。

治療期間 ： 2年~3年
当院費用 ： 825,000円~　※歯が1本ない場合を想定した期間と費用です
メリット ： 自分の歯で噛める
デメリット ： 治療期間が長い・治療期間中不便・インプラントの方が割安な場合が多い

2インプラント

インプラント治療とは、歯を失った部分に人工の歯根を埋め、その上に白い被せ物をして歯を復元する治療です。

総治療期間 ： 3~7か月
当院費用 ： 420,000円~
メリット ： 見た目が自然・しっかり噛める・健康な歯に負担をかけない・毎日の特別なケアが必要ない
デメリット ： 外科処置を伴う・治療費が比較的高額

3自費の部分入れ歯

取り外し可能な義歯を着けることで欠損部分を補います。金属のバネがなく、義歯部分はジルコニアセラミックでできた見た目が自然な部分入れ歯です。

製作期間 ： 1.5か月程度
当院費用 ： 1本義歯150,000円~
メリット ： 治療費が比較的安価・製作期間が比較的短い
デメリット ： 毎日取り外して洗浄する必要がある

4ブリッジ

抜けた歯の両隣の歯を削り、橋を架けるように被せ物を被せる治療です（当院では取り扱っておりません）。

メリット ： 治療費が安価
デメリット ： 健康な歯に負担がかかるため、将来より多くの歯を失うことになる

歯列矯正を選ぶべき場合はかなり限定的です

歯列矯正を選ぶべき場合

歯の欠損の治療手段として歯列矯正がベストな場合はかなり限定的です。当院では原則、以下の2つの条件が重なる場合のみ歯列矯正を提案しています。

歯列矯正には抜歯矯正という手段もあるとおり、抜歯した歯の隙間を矯正で埋めることは可能です。しかし、歯の移動距離が長くなるぶん矯正の治療期間も長くなります（抜歯矯正の平均期間は2年~3年）。治療期間が長いと費用も高くなるため、欠損歯を補う目的であればほとんどの場合インプラントのほうが安くすみます。

ただし②のとおり前歯の歯並びも気になっている場合は、「歯並び」「歯の欠損」2つの悩みを同時に解消できるため歯列矯正がベストな選択となります。

以下は①②の条件が揃った当院の症例です。

6番の奥歯を抜歯してから期間があいており、歯が動いてインプラントを入れる隙間がなくなっています。歯の欠損部分にインプラントを入れようとすると矯正で歯を後ろに動かしてからインプラントを入れるという流れになり費用も期間もかかります。そこで、前歯の歯並びも気になっているとのことでしたので奥歯を手前に移動することで欠損部分を補う治療プランにしました。

その他の症例で歯列矯正が適さない理由

「6番以外の歯を失った場合では？」
「他院の症例では、上記以外の場合でも矯正で治療しているけど？」
と思われるかもしれませんが、当院では以下の理由から推奨いたしません。

インプラント治療であれば向き・形・噛み合わせをある程度コントロールできるため、あるべき歯並びを実現することができます。しかし歯列矯正は動いた位置しだいという所があり、正確な微調整が難しいのが実状です。例えば4番の小臼歯を1本失った場合、後ろの5番・6番・7番・8番の4本を手前に動かすことになりますが、4本全てが適切な向きや噛み合わせにならない可能性もあります。

その結果、矯正治療を続行したりセラミック矯正などで形を整えたり等の可能性を考えると、やはりインプラントを1本入れるほうが確実かつ安価で期間も短く済みます。

歯の欠損や歯並びでお悩みでしたら、まずはお気軽にご相談ください

上記のように書きましたが、実際のところはご自身の歯の状態・お悩み・目標に合わせてベストな治療方法は変わります。歯の欠損・歯並び・歯の見た目などでお悩みでしたら、まずはお気軽にご相談にいらしてください。複数の治療手段の中から、患者さんお1人お1人に合った治療方法をご提案いたします。