審美・矯正歯科コラム

ローコストマウスピースとは?安い矯正でも大丈夫?

公開日:2024年10月2日
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こんにちは。佐賀県佐賀市の審美歯科スマイル髙城歯科です。インターネット広告やSNSでよく「20万円、30万円でできるマウスピース矯正」といった低価格のマウスピース矯正が紹介されています。今回は低価格のマウスピース矯正「ローコストマウスピース」についてまとめました。

私が答えます!
スマイル髙城歯科
院長 髙城秀典

ローコストマウスピースとは

ローコストマウスピースは、一般的には60万~100万円かかるマウスピース矯正を、コストを抑えて10~30万円で提供している安価なマウスピース矯正です。

代表的なローコストマウスピース
  • キレイライン
  • oh my teeth
  • アソアライナー
  • エミニナル矯正
  • スマイルトゥルー
  • hanalove
  • hanaravi
  • ゼニュム
  • ディパール
  • ビフォーデント

一般的なマウスピース矯正は「治療」のための手段として用いられますが、ローコストマウスピースは商業ベース(利益目的)の商品です。本格的な治療ができる性能はありませんが、歯を動かすことはできるため、ローコストマウスピースの使用によって噛み合わせがおかしくなってしまうこともあります。

ローコストマウスピースとコンプリヘンシブマウスピースの違い

コンプリヘンシブマウスピースとは、一般的なマウスピース矯正治療に用いられる、十分な性能を備えたマウスピース矯正のことです。

代表的なコンプリヘンシブマウスピース
  • クリアコレクト
  • インビザライン
  • シュアスマイル

1マウスピースの構造

矯正用マウスピースは「ポリウレタン」というプラスチックやゴムの1種でできている硬く柔軟性がある素材でできています。矯正性能が高いコンプリヘンシブマウスピースは、外側が硬い素材で内側が柔らかい素材の「3層構造」となっており、長時間歯に力を加え続けることができます。

いっぽうローコストマウスピースは、1層のみの「単層構造」が基本です。硬い素材のものは装着直後は矯正力が高いですが、すぐに変形したり破れたりして十分な力を加えられなくなってしまいます。いっぽう柔らかい素材のものは十分な力を加えることができません。

このグラフは、多層構造のマウスピース(緑線)と、単層構造のマウスピースの矯正力が、それぞれ時間経過とともにどう減衰していくかを表したグラフです。

単層構造のマウスピース(破線)は装着後24時間でかなり矯正力が減衰してしまっています。

2セットアップの精度(症例データ量)

マウスピース矯正では、理想の歯並びにむけて形が異なるマウスピースを複数枚製造し、付け替えることで徐々に歯を動かしていきます。そのマウスピースを設計することを「セットアップ」といいます。このセットアップの精度は「症例データの量」で決まります。「この歯並びに近い過去の症例で、ちゃんと動いた / 動かなかった」というデータが多ければ多いほど、さまざまな症例でより適切なセットアップをおこなうことができるためです。

症例データの量は、コンプリヘンシブマウスピース先発のインビザライン(1500万症例)とクリアコレクト(600万症例)が圧倒的です。その他のマウスピース(特にローコストマウスピース)は症例数がかなり少ないため、精度も十分でないと考えられます。

実際にローコストマウスピースブランドでの矯正は「全然計画どおりに動かない…」「治療が終わらず追加料金を払い続けている…」など良くない口コミが多いです。

3動かせる範囲

ローコストマウスピースは上記のとおり十分な矯正性能がないため、前歯の軽微な症状しか治すことができません。「気になる箇所は前歯だけだから、ローコストマウスピースでも大丈夫かも」と思うかもしれませんが、実際には前歯を並べ直すために奥歯も移動しなければ噛み合わせがおかしくなる場合が多いです。

ローコストマウスピースで前歯だけ並べ直すことで、出っ歯ぎみになったり、最悪の場合は噛み合わせがおかしくなり前歯同士がぶつかるようになってしまったりもします。ローコストマウスピースでの矯正結果がよくなく、コンプリヘンシブマウスピースやワイヤー矯正でやり直しをする方も多くいらっしゃいます。

ローコストマウスピースはなぜ安い?

本格的な矯正治療で用いられるコンプリヘンシブマウスピースは、60万円から100万円程度します。一方でローコストマウスピースは10万~30万円からなど、安価で提供されています。ローコストマウスピースが安い理由は主に以下の通りです。

1歯科医師の関わりが少ないため

通常のマウスピース矯正では、セットアップや治療の経過のチェックやアタッチメントの装着など、歯科医師や歯科衛生士による複数回にわたる万全のサポートがあります。歯列矯正は基本的に自由診療であるため、医療費は10割負担となり、そのぶん費用も高くなってしまうのです。

ローコストマウスピースの場合は通院頻度やサポート内容が少なかったり、医師がほとんど関わらない通院不要のプランであったりします。歯科医師の人件費を減らすことで低価格を実現できるかもしれませんが、本来は必要なものを削っているわけですから、治療には危険も伴います。

2製作するマウスピースの枚数が少ないため

ローコストマウスピースは軽度な症例にのみ対応しているため、治療期間が短めのプランが多いです。そのぶん製作するマウスピースの枚数も少ないため、価格を安く見せることができます。

3安価な素材・構造を使っているため

ローコストマウスピースは一般的な矯正用マウスピースよりも安価な素材・構造のものを使用するため、そのぶん費用を抑えることができます。

ローコストマウスピースでも大丈夫?

「前歯がほんの1mmズレているだけ」「以前矯正したけど少し後戻りしてきた」など、元々98点の歯並びであり100点を目指したいという方であればローコストマウスピースでもよいかもしれません。逆に、それ以外の方にはおすすめできません。

ローコストマウスピースは価格面では魅力的ですが、性能面も合わせて見ると本格的な治療には向かず、噛み合わせがおかしくなってしまうリスクもあります。広告では見かけ上は十分な矯正性能があるように見えるかもしれませんが、実際には大きな違いがあります。ローコストマウスピースによる後悔や失敗の口コミが多くありますので、ご検討中の方はぜひ一度情報収集をしてみてください。

記事の監修者

髙城秀典

 
院長

髙城秀典

鹿児島大学歯学部卒業後、米の山歯科勤務を経てスマイル髙城歯科を開業し、審美歯科を中心にあらゆる治療を提供しています。<所属学会・認定資格>ICOI(国際インプラント専門会議)認定医、ITI インプラントスペシャリストほか

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